びゅうハイヤー金沢観光タクシー

2010年、石川県観光交流局からの依頼で「いしかわ観光特使」に就任しました。
県外の人の中には金沢は知っていても、石川県をまだ知らない人がいます。
豊かな自然に恵まれ、全国に誇れる食材も豊富な、わが故郷石川県の観光応援団としてこれからも全国に石川県の魅力を発信して行きたいと思います。 　　　　　　　　　　　　　　　　

加賀百万石の城下町金沢は、歴史、伝統工芸、伝統芸能、食文化等が現在も息づいている美しい街です。

金沢を小京都と呼ぶ方がいますが、街の歴史や地形、風習、いずれをとっても京都と金沢は大きく違います。
金沢には他の都市の物まねではない独自の素晴らしい文化があり、小京都などと呼ばれる事は金沢の誇りを傷つけ、物の見方や感性までも縮ませてしまいます。
他の都市を小金沢と言わせる様な街づくり、旅人が心を安らぎ、何度でも訪れたいと思う、そんな街にしていきたいと思います。

観光地としての金沢は、長期低落傾向に入っています。
金沢と聞いて観光客がイメージするものと言えば、兼六園、金沢城、ひがし茶屋街、武家屋敷等の観光地、 九谷焼、加賀友禅、金箔等の伝統工芸品、日本海の新鮮な魚介類を使った加賀料理、そして温泉と言ったところです。
これらはマスコミにも頻繁に取り上げられ、国内のいつかは訪れたい街の上位に入っています。
以前に比べると交通の便も良くなり、ホテルなどの宿泊施設も増えているのに、観光客数が減少しているのは何故でしょうか。
それは、我々が先人たちの残してくれた遺産に頼っているからに他なりません。 前田利家公入城以来400年以上の年月に耐える、新しい財産を創造する事はしていないのです。

観光客が一番求めているのは何でしょうか。 どんな人でも心の安らぎを渇望しています。旅行客であれば、日常を離れた心身共の安らぎを無意識のうちに旅先に期待しています。
自然の中に身を置き、歴史と文化を肌で感じ、おいしい食事を味わいたい、温泉でゆっくりとくつろぎたい。
加賀百万石の城下町を意識し過ぎた新しい建造物は、最初こそもの珍しさに訪れますが、再訪したいとは、ほとんどの人があまり思わないものです。
自然の風景に勝るものはありません。

金沢城は約83,300坪あります。立派な菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓が出来、今また河北門が出来ました。
金沢城を多く復元する工事は大切な事です。 しかし、櫓と門を沢山再現しても、全国から多くの観光客が訪れるでしょうか。

金沢城は広い敷地と風情があり、景観に優れた処です。このままでは宝の持ち腐れです。
石川県人は気づいていないのです。これほど桜の名所にふさわしい場所は、他の県にはないのです。
全国のほとんどのさくらの名所は、場所が無い為、河川敷にさくらを植え、長い年月をかけて観光客集客に取り組んでいます。
石川県は全国的にみて桜の名所では有りません。
兼六園は桜の名所100選に選ばれていますが、残念ながら金沢へ桜を見に来る方は、地元の人がほとんどで、日本全国からは桜を見に訪れる方は僅かです。
桜の名所100選とは、意地悪く説明すれば全国のさくらの名所100ヵ所の一つに過ぎません。

さくらは観光客を集客します。
桜の日本三大名所、弘前城（青森県）は、ソメイヨシノを中心に2,600本、高遠城祉（長野県）は、タカトウコヒガン桜を中心に1,500本、吉野山（奈良県）は、シロヤマザクラを中心に30,000本あります。
弘前城、高遠城、吉野山の桜と、石川県の桜の名所とは、著名度、規模の雄大さ等すべてにおいて太刀打ち出来ません。

金沢城公園は、前田公が残してくれた貴重な財産です。
我々の時代に、ソメイヨシノを中心とした3,000本以上の規模と風情を備えた桜の名城を造り、日本三大名所の一つに金沢城が加われば、永続的に観光客集客が望めます。
この構想には未来があります。10年、20年単位で整えていけば、将来、全国でも屈指の桜の名所となる事は夢ではありません。